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C-Spaceに基づいた5軸制御加工における工具姿勢の決定法
−工具形状を考慮したC-Spaceの生成と安全第一加工戦略−

森重功一,竹内芳美

精密工学会誌,66巻7号 (2000.7) 1140-1144.

我々はボールエンドミルを用いた5軸制御加工を対象に, 工具姿勢と干渉の有無の関係を把握する方法の1つとして, 2次元のコンフィギュレーション空間の利用を提案してきた. また,干渉のない工具姿勢は無数に存在するため, 姿勢の決定には作業者が意図している加工を反映させるための 何らかの指針が必要である. この指針のことを,我々は加工戦略と呼んでいる. 前報では,工具干渉を考慮するだけでなく, 工具先端部での切削を回避するという戦略に基づいて工具姿勢を 決定するなどの加工戦略を反映した工具経路生成の一例を示した. しかしながら,求められる加工は実に多様であるため, より実用的なシステムとするためには,主要な加工戦略を整理し, それぞれの戦略に対応したCLを生成できるように手法を拡張する必要がある.
本論文では,まず,使用工具のホルダー部分やエンドミルのテーパ部分などの形状を 考慮できるように2次元C-Spaceの生成方法を拡張する. 次に,CL生成のための主要な加工戦略の一つとして, 加工中の工具干渉に対する安全性を重視した戦略を提案し, その戦略に基づいた工具姿勢の決定法として, 計算幾何学の分野で多用されているドローネ三角形分割を利用した 効率的な計算方法について述べる. 最後に,いくつかの事例を示しながら提案した手法の有用性について検討する.

CLデータのシミュレーション 加工状況


IMS Lab. http://www.ims.mce.uec.ac.jp/

2000, by K.Morishige