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回転2軸の動きを考慮した5軸制御加工用工具経路生成法

金子 誠,森重功一

精密工学会誌,第76巻,第1号 (2010.1) pp.101-105.

 現行の5軸制御加工用のCAMは,CLデータを生成するメインプロセッサと, 加工機の制御用データであるNCデータに変換する ポストプロセッサに分離しているため, CLデータを生成する段階で加工機の運動を考慮することができない.そのため, 回転軸の急激な変化や反転など,加工誤差の原因となる機械運動を含んだNC データに変換されるCLデータを出力する恐れがある.また, 機械運動が複雑な多軸制御加工では,駆動軸の追従性や機械剛性の低下などから, 望むような加工精度が得られない場合がある.このような問題に対処するには, CLデータを生成する段階で機械情報を参照し, 機械運動を考慮したCLデータを生成する必要がある.
 本研究では,加工機の回転2軸の位置を1 点で表すコンフィギュレーション空間 (Configuration Space, C-Space)を適用し, 各切削点において回転2軸の動きを考慮して工具姿勢を決定する.これにより, 加工誤差の原因となる回転2軸の反転を回避したCLデータを生成する.さらに, 使用する回転2軸の数を抑制することにより,固定1軸+同時4軸加工, さらには,固定2軸+同時3軸加工となるCLデータを生成し, 機械剛性を保持した加工を行う.最後に,提案する工具経路生成法をCAMに実装し, オーバーバング部を有する溝形状を対象として,CLデータの評価, 加工シミュレーションおよび加工実験を行い, 提案する手法の有用性について検討する.

Concept of machine coordinate C-Space  Path search by using A* algorithm

IMS Lab. http://www.ims.mce.uec.ac.jp/
Last updated on January 21, 2010 by www-admin@ims.mce.uec.ac.jp