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工具干渉と構造干渉を考慮した5軸制御加工用工具経路生成法

神田倫之,森重功一

精密工学会誌,第81巻,第10号 (2015.10) pp.969-973.

 5軸制御加工では,工具と工作物との干渉である工具干渉や,テーブルや主軸などの機械構造どうしが干渉する構造干渉が生じる恐れがある.工具干渉については,多くの研究者によって回避法が提案され,市販のCAM でも考慮されている.
 一方,構造干渉については,5軸制御工作機械は,回転2軸の構成によってテーブルチルト型,テーブルスピンドルチルト型,スピンドルチルト型の3種類に分けられ,それぞれ構造が異なるため対応することが難しく,市販のCAM では考慮されていない.形状が複雑なモデルどうしの干渉チェックには多量の演算を行う必要があり,計算時間が問題になることも,構造干渉が考慮されない理由の一つとなっている.
 本研究では,CAMの処理において,工作機械,工作物,工具,冶具の3次元モデルを用いて干渉チェックを行うことにより,工具干渉や構造干渉を回避した工具経路を生成することを目的としている.このとき,3次元CAD/CAM で一般に使用されるソリッドモデルを用いて干渉計算を行うと計算時間が膨大となるため,ポリゴンモデルを用いた干渉計算処理を,GPU(Graphics processing unit)を用いて並列化することにより高速化を図る.さらに,処理における機械座標系への変換に汎用ポストプロセッサのアルゴリズムを導入することによって,テーブルチルト型,テーブルスピンドルチルト型,スピンドルチルト型の全ての軸構成の5軸制御工作機械に対応させるなど,汎用性の向上を図る.

Screen of machining simulation
IMS Lab. http://www.ims.mce.uec.ac.jp/
Last updated on December 26, 2015 by www-admin@ims.mce.uec.ac.jp