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XMLにより記述された加工情報データベースを利用した 作業設計支援システムの開発

佐藤雄磨,森重功一

精密工学会誌,第74巻,第1号,pp.92-96 (2008).

現在,CAMソフトウェアを用いて工具経路を作成する場合,工具や工作機械などの情報が必要となるが,これらの情報はそれぞれのCAMソフトウェアごとに設定しなければならない.複数のソフトウェアを併用する場合,同じ内容の情報を異なる形式で入力しなければならず,ソフトウェアに付属するデータベースを設定する場合などは入力する情報も大量となり,作業者にとっては大変な負担となる.

例えば,加工に関係するあらゆる情報の書式を電子情報として標準化し,工具,ツーリング,工作機械などの各メーカーは,定められた書式に準拠して作成した電子情報を各製品に添付するとする.ソフトウェアベンダーやユーザーは,それらの電子情報を利用するために公開された仕様に従って,インターフェイス機能を独自のシステムに組み込む.各ソフトウェアにおける処理に必要となるデータは,提供された電子情報を直接参照することによって取り込まれる.このように情報が標準化され,あらゆるシステムにおいて統一的に活用することができるようになれば,加工に関する様々な情報の運用が効率化され,作業の省力化が進むものと考えられる.

また,工具経路を作成する作業では,加工方法の選択から,加工対象面や加工方向などの指示,さらには工具送り速度や切り込み量などの加工条件の設定など,非常に多くの情報を設定する必要がある.加工に関する深い知識や経験を必要とするパラメータも多く,情報の内容に習熟していないと適切な結果を得ることができない.そのため,情報設定の省力化や,扱いやすいインターフェースの実現が望まれている.

本研究では,加工条件の決定からNCデータの作成に至る作業設計を省力化するために,作業設計に必要となる情報の標準化を提案し,標準化された加工情報の利用を前提とした作業設計支援システムの開発を行った.

作業設計支援システムの構成
IMS Lab. http://www.ims.mce.uec.ac.jp/

2008, by K.Morishige