工具研削CAD/CAMシステムの開発
−システムの拡張とその評価−
石塚伸護,森重功一,加瀬 究,松岡甫篁,竹内芳美
精密工学会誌,65巻9号 (1999.9) 1281-1283.
切削加工の多様化にともない,工具に対する要求も増加している.
形状に関する要求としては,最近注目を浴びている高速ミーリングに
適するとされる大きな負のすくい角を有するボールエンドミルや,
5軸制御加工の特徴を活かすことのできるコニコイドエンドミルなど,
従来になかった形状の工具が求められている.しかし,
ソリッドタイプのエンドミルの3次元的にねじれた切れ刃は,
砥石の外周形状の包絡面により創成されるため,
目的の形状に仕上げることは非常に難しい.
多様化する切削加工技術を支えるためにも,工具を使用するユーザ自身が,
それぞれの加工に適した工具を手軽に製作することのできる,
新しい工具製作システムの構築が不可欠となっている.
前報で,3次元CADデータをもとに,
工具研削用の5軸制御NCデータを生成する工具研削CAD/CAMシステムの
基本部分の開発と工具の試作を行い,
任意形状の工具を創成できることを示した.しかし,
試作した工具は先端部で切れ刃がきちんと合わないなどの問題点があり,
実際に使用する工具としては不十分であった.本報では,
実用化へ向けてのCAD/CAMシステムの拡張,拡張システムによる工具の試作,
ならびに試作工具の評価結果について報告する.
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2000.2.5, by K.Morishige