6軸制御による直交面の角隅加工
竹内芳美、葉 閣斉、石畝 学
精密工学会誌、62巻12号(1996)1762-1766
回転工具を用いた加工では創成される製品の形状を制約する場合がある。例えば、直角のコーナ形状を加工する場合、回転工具を用いた切削加工では加工個所に残留コーナRが残り、明瞭な稜線を作り出すことは不可能である。このような形状の加工には主に型彫放電が用いられているが、放電加工では切削加工と比較して加工速度が低く、また加工対象物の逆形状の電極を加工する必要がある。このような背景から、同一工程で加工できる新しい切削加工法を提案しようとするのが本研究の目的である。
この加工法は、通常の回転工具に代わって非回転工具を用い、同時6軸制御によって、ちょうどノミで削るような創成運動を行うものである。本研究では、3次元CADで定義した角隅形状に対して荒加工後の残留コーナ形状を考慮し、工具経路を生成することを試みる。
図は角隅加工の概念図である。直角コーナ形状を創成する工具経路の1サイクルは、側面と底面切削の2つの切削動作からなり、図に示されるような形状をもつ非回転工具と工具経路を必要とする。以上の加工法を基に角隅加工用CAMシステムを開発し、開発したシステムを用いて、CLデータとNCデータを生成し加工実験を行った。
実験の結果、開発したシステムの有用性を確認することができた。
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1996, by K.Morishige