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工具切れ刃断面変化を利用した6軸制御曲面平滑仕上げ

和田一啓, 竹内芳美

精密工学会誌,63巻6号(1997-6) 874-878

フライス加工では,回転工具の使用はカスプを生じさせ,カスプ高さが面粗さとなるので,良好な面粗さにするには,ピックフィードを小さくせざるを得ない.このため,精度を要求される場合は,後工程に磨き作業を余儀なくされる.しかし,この磨き作業は自動化が難しく,多くは手作業で行われている.6軸制御マシニングセンタによる非回転切削加工を行うことで,上記の問題を軽減できる.
局所的に曲率が変化する自由曲面形状の6軸制御加工を考える.対象形状を効率的に仕上げるには,凸面に関しては問題ないが,凹面では工作物の曲率に合った工具を複数使用しなければならない.しかし,ATCによる工具交換は,数μmの取り付け誤差を生じる.そこで,単一の曲率を持つ工具を回転傾斜させることで,曲率を変化させる加工法を考案した.このように工具の回転傾斜を利用して工具仮想曲率半径を連続的に制御することで,自由曲面を工具交換無しに効率よく加工することができる.
考案した加工法を実現するCAMシステムを開発し,加工実験をとおして6軸制御ヘール加工の可能性を確認した.


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1997, by K.Morishige