超精密フライス加工による
三次元マイクロマシニングの高精度化
沢田 潔、河合知彦、竹内芳美、佐田登志夫
日本機械学会論文集(C編)、61-587(1995) 3129-3135

[A traditional Noh mask on a copper surface 3 mm in diameter]
超精密加工技術はポリゴンミラーなど光学部品やシリコンウエハなど半導体部品の製造技術を中心に発達し、電子機器や光学応用機器などの各種機器の高精度化、小型化、高集積化に寄与してきた。今後、加工物のマイクロ化の促進に伴い、ナノメータオーダの加工精度が要求されてくることが予想される。
現在、このような微細加工技術には半導体分野におけるエッチング技術を応用した例などが見られるが、扱う加工物の材質や形状に大きな制約を伴う。そこで、ある程度加工物の材質を選べ、加工形状も平面や球面に加えて、自由曲面など複雑な三次元形状を超精密加工できるダイヤモンド工具等を用いた機械加工による微細加工技術を考えることは重要である。
すでに、旋盤系の超精密加工機と市販のダイヤモンド工具を改良した疑似ボールエンドミルを用いた三軸制御による平面上の微細加工や複合自由曲面の超精密フライス切削加工を試み、表面粗さ、形状精度ともに良好な加工面を得た。
今回は三次元微細切削加工(マイクロマシニング)の例としてディジタイジングによって得た形状データを基にφ3mmの能面の加工を行ない、旋盤系の超精密加工機とさらに改良を加えた疑似ボールエンドミルを用いて表面粗さ69nm(p-v値)の良好な加工結果が得られた。
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1996/11/09, by Y.Sakaida