超精密フライス加工機による三次元マイクロマシニングの高度化
(第2報,工具系の高精度化)
Advanced Three-Dimensional Micromachining by Means of Ultraprecision Milling
2nd Report,High-Precision Tool Chuch System
沢田 潔,山本明,竹内芳美,佐田登志夫
日本機械学会論文集(C編) 63巻614号(1997-10)

超精密加工技術は,加工精度の要求されるポリゴンミラーなど光学部品やシリコンウエハなど半導体部品の製造技術を中心に発達し,電子機器や光学機器などの各種機器の高精度化,小形化,高集積化に寄与してきた.また,最近ではマイクロマシンに使用される超小形アクチュエータのような微細機構部品など,非常に体積の小さい加工物に適用されるケースも増えてきている.今後は,加工対象のさらなるマイクロ化に伴い,ナノメータオーダの加工精度を要求されることが予想される.
このような背景から,ある程度加工物の材質を選択でき,加工面形状も平面,球面の他,自由曲面など複雑な三次元形状を加工できるダイヤモンド工具を用いた機械加工を適用して超精密微細加工技術を研究開発してきた.すでに,三次元マイクロマシニングの例としてφ3mmの能面形状の加工を取り上げ,旋盤系超精密フライス加工機と微調形擬似ボールエンドミルを用いた超精密フライス加工とそのシミュレーションを報告した.本研究はその続報として三次元微細加工における工具およびその周辺機器、特に工具チャックの高精度化について述べ,それらを用いて能面のさらなる微細化,すなわちφ1mm内への加工を行った結果を報告するとともに微細な表面の観察からわかる等高線模様についても考察する.
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2000/02/19, by H.Yonekura