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5軸および6軸制御を併用した隅部加工

井沢祐弥,森重功一,竹内芳美

精密工学会誌,70巻8号 (2004.8) 1106-1110

同時6軸制御加工を導入することにより,隅部形状の明瞭な加工が可能と なるうえに,回転工具による荒加工と曲面の仕上げ加工から, 非回転工具による隅部の除去までの一連の工程を, 1台のマシニングセンタで行うことができる. しかしながら,同時6軸制御加工は工具の送り速度が低速であるうえに, 切込み量を微小とせざるを得ないため,加工効率が著しく低い.
 以上のような理由から,本研究では,加工能率の点で有利な小径ボールエンドミルを用いた同時5軸制御加工を併用した隅部の除去加工を提案している. 前報では, 2つの自由曲面の交差部分であるキャラクタラインのみを対象とした処理に ついて論じ,提案した加工法が加工時間の短縮の点で有効であると同時に, 十分な加工精度が得られることを確認した. しかしながら,工業製品にはキャラクタライン形状の他に, 3つの曲面から構成された角隅形状など,様々な種類の隅部形状が存在している. 提案した加工法を実用化するためには, 複数のパターンの隅部形状を含んだ複雑な形状に対応できるように手法を 拡張する必要がある.
 本報では,大径ボールエンドミルによる荒加工後の隅部における残留R部分を除去することを目的とし,隅部稜線の端点における形状をパターン化して判別し,5軸制御中仕上げ加工と6軸制御仕上げ加工のための工具経路データを生成する手法を開発した.

CLデータ例1 CLデータ例2 加工後の隅部


IMS Lab. http://www.ims.mce.uec.ac.jp/

2004, by K.Morishige