C-Spaceを用いた5軸制御加工のための工具経路生成法
森重功一,加瀬 究,竹内芳美
精密工学会誌,62巻12号 (1996.12) 1783-1788
5軸制御加工は,航空機の部品などのように複雑な形状の加工に特定されてきたが,金型などの一般的な形状に適用した場合においても,工具の合理的な使用や工程数の大幅削減など様々な利点があることが知られている.そのように汎用的な目的で5軸制御加工を施行するためにはCAMによる支援が不可欠となるが,現行の5軸制御加工用CAMは,そのほとんどが工具干渉に関する機能や対象形状,加工方法が限定されているため,ユーザが目的の工具経路を得られない場合が多い.
前報では,工具干渉のないデータを生成できる汎用的な手法の1つとして,各切削点における工具姿勢と干渉の関係を表す2次元Configuration空間を用いた解析的な工具干渉回避法に基づく手法を示した.しかし,すべての切削点において工具干渉チェックを行い,干渉のある工具姿勢だけを修正するというこれまでの方法では,工具姿勢変化の連続性を考慮することができず,良好な仕上げ面を得ることはできない.
本研究では,まず,これまで利用してきた2つのパラメータで表現される2次元Configuration空間に,工具の移動を表すパラメータを1つ加えることにより3次元のものに拡張し,それを基に工具干渉の回避だけでなく,姿勢変化の連続性や切削状態などを考慮したユーザの加工戦略を反映することのできる工具経路生成法を新たに提案している.手法に基づいて開発したメインプロセサを用いて工具経路を生成して加工実験を行うことにより,手法の有効性について検討した.
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1997/6/25, by K.Morishige