シャープなエッジをもつポケット形状の6軸制御加工
石畝 学,竹内芳美
精密工学会誌,64巻8号(1998-8) 1206-1210
ポケット形状を回転工具で加工すると稜線部分に円弧状の削り残しを生じるため,明りょうなポケット形状を得ることができない.このような形状の加工には,従来から形彫り放電加工が用いられているが,この場合,目的形状の逆形状の電極や工程変換が必要となる.非回転工具を用いた6軸制御加工では,これらの形状を切削加工だけで成形できるため段取り替えが不要となり,工程の短縮,省力化を図ることができる.前報では,側面が自由曲面の形状までを対象としていたが,本報では底面などのすべての面が自由曲面で構成される形状にも対応できるように手法を拡張した.まず,平面のみで構成されるポケット形状,次に曲面で構成されるポケット形状を加工対象としてとり上げ,ともに狭部における工具干渉を考慮しながら明りょうな稜線を創成する6軸制御加工法を提案する.この加工法に基づいた工具経路データを自動生成するCAMシステムを開発するとともに,生成した工具経路データを用いて加工実験を行い,本加工法の有効性について検討した.
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1997, by K.Morishige